「今の東京は高すぎる」という感覚の正体
不動産の話になると、必ず出てくる言葉があります。
「東京の不動産は、もう高すぎる」
「今から買うのは遅いのではないか」
実際、物件価格を見てそう感じるのは無理もありません。10年、20年前と比べると、同じエリアでも価格は大きく変わっています。ただし、この感覚だけで「だからやめておこう」と判断してしまうのは、とてももったいない選択でもあります。
なぜなら、不動産価格は「高い・安い」だけでは判断できないものだからです。まずは、この10年、20年で東京の地価や不動産価格がどのように動いてきたのかを、感情ではなく事実ベースで整理してみましょう。
東京の不動産価格を20年単位で見ると見えてくること
20年前の東京は、今より不動産価格が安かったのは事実です。ただし、それは「買いやすかった」という意味ではありません。2000年代前半はバブル崩壊の影響を引きずり、地価は長く低迷し、さらに2008年にはリーマンショックで再び大きく落ち込みました。
つまり、当時は「安いけれど、不安定で先が読めない市場」だったと言えます。価格が低かったのは事実ですが、それは安心感のある状況だったとは限りません。
10年前から始まった大きな転換点
流れが大きく変わったのは、2013年以降。金融緩和と低金利政策により、住宅ローン金利は歴史的な低水準に入りました。ここで重要なのは、10年前・20年前の金利は、今よりはるかに高かったという事実です。
- 2000年代前半の住宅ローン変動金利:2〜3%台が一般的
- 現在:0%台〜1%台前半が主流
価格だけを見ると「高くなった」と感じますが、総支払額で見ると、今のほうが負担が軽いケースも多い のです。この低金利環境を背景に、東京の不動産価格は緩やかに、しかし継続的に上昇していきました。重要なのは、この上昇が一時的なブームではなく、10年以上続くトレンドになっている点です。
コロナ禍でも価格が下がらなかった理由
「コロナで経済が止まったのだから、不動産価格も下がるはず」そう考えた方も多かったと思います。しかし実際には、東京の不動産価格は大きく下落することはありませんでした。理由はシンプルで、
- 都心部の住宅需要が底堅かった
- 建築コストや人件費の上昇で供給が絞られた
という 需要>供給 の構造が続いたためです。
「東京」と一括りにできない価格の実態
ここで注意したいのは、東京といっても価格の動きはエリアによって大きく異なる点です。
- 都心3区(千代田区・中央区・港区):上昇幅が大きい
- 中野区・杉並区・練馬区:実需に支えられた安定推移
- 多摩地域:エリアごとに差が大きい
中野区・杉並区・練馬区のような“生活実需エリア”は、極端な高騰ではなく、長期的に安定しやすい のが特徴です。
「高くなった」のではなく「基準が変わった」
10年、20年前と比べて価格が上がったのは事実です。ただ、それは単純に「高くなった」という話ではありません。
- 住宅ローン金利
- 物価
- 所得構造
- 住宅性能
- 建築コスト
これらすべてが変化しています。過去と同じ物差しで今を測ると、「高すぎる」という結論になりやすいですが、環境全体を見直すと、違った見え方も出てきます。
価格推移が教えてくれる、ひとつの現実
ここ10年、20年の推移から分かるのは、東京の不動産は「短期で上下を繰り返す投機対象」ではなく、「長期で見ると安定しやすい資産」になってきているという点です。
もちろん、必ず上がる保証はありません。ただ、少なくとも「いつか暴落するから待った方がいい」という単純な話ではないことは、過去のデータが示しています。
それでも「自分はどうすればいいのか」が残る
ここまで価格の話をしてきましたが、多くの方が本当に知りたいのは、「結局、自分は今どう判断すればいいのか」という点だと思います。
価格推移は、判断材料の一部にすぎません。大切なのは、
・今の家賃
・将来のライフプラン
・無理のない支払い
・住みたいエリアとの相性
こうした要素を整理したうえで、価格をどう位置づけるかです。
不動産購入は「相場当て」ではない
不動産購入は、株のように安く買って高く売るゲームではありません。住まいとして使いながら、結果として価値がどう推移するかを見るものです。
そしてここからは、私自身の主観 ですが──
極端な話、永く住み続ける前提であれば、価格が上がろうと下がろうと関係ありません。
大事なのは、
- 残債割れリスクの高い物件を避けること
(価格が相場とかけ離れていない、希少性・資産性が高いなど) - 将来手放す必要が出たときに、買い手が見つかりやすい物件を選ぶこと
(需要の見込める立地・規模・築年数など)
この2つを押さえておけば、長期的なリスクは大きく減らせます。
まとめ|価格推移は“判断を助ける地図”
東京の不動産価格は、この10年、20年で確実に変わってきました。しかし、それは「もう遅い」というサインではありません。「判断の仕方を変える時期に来ている」というサインです。
感覚だけで決めず、データだけにも振り回されず、自分の状況に当てはめて考える。そのための地図として、価格推移を使ってほしいと思います。
なかの不動産からのご案内
不動産価格の話を調べれば調べるほど、
「結局、自分の場合はどうなんだろう」
という疑問が残る方も多いと思います。
なかの不動産では、
「今すぐ買うべきかどうか」ではなく、
「今、何を整理すればいいのか」
というところから一緒に考えています。
まだ具体的な物件が決まっていなくても、
購入するかどうか決めていなくても問題ありません。
価格の見方、考え方を整理するだけでも、次の一歩は見えやすくなります。
もし、
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そう感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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