事務所の扉を開けると、まず迎えてくれるのはふわふわのうさぎさん。そしてバスルームには、フィンランド式の本格ドライサウナ。少し変わった不動産事務所だと思われるかもしれませんが、これらは単なる趣味ではなく、私たちが大切にしている考え方──『住まいは人の心と暮らしを整える場所である』──を形にしたものです。
家は、疲れて帰ってきたときに安心できる場所であり、気持ちを切り替える拠点でもあります。そんな視点から、今回は『単身の方がマイホームを購入する』というテーマについて、日々ご相談を受けている立場からお話ししたいと思います。
「単身=賃貸」という前提はもう絶対ではありません
不動産の仕事をしていると、「一人なのに家を買うのは早いですよね?」という質問をよく受けます。以前は結婚や家族形成を前提に住宅を購入するのが一般的で、単身のうちは賃貸で十分という考え方が主流でした。
しかし現場にいると、その前提が少しずつ崩れてきていることを実感します。晩婚化や非婚化が進み、働き方も多様化する中で、「いつかは買おうと思っていたが、気づけばタイミングを逃してしまった」という声を聞く機会が増えました。賃貸の身軽さは確かに魅力ですが、長期的な住居費や老後の安心まで含めて考えたとき、単身のうちからマイホームを検討することは、十分に現実的な選択肢になっています。
単身でマイホームを持つという考え方
単身でマイホームを持つことの意味は、単に「家を買う」という行為そのものではありません。住居費をただの支出で終わらせるのではなく、将来に向けて選択肢を残すという点に大きな価値があります。ライフスタイルが変わったときに、売却や賃貸といった判断ができるかどうかは、購入時の考え方で大きく変わります。
実務上、単身マイホームで比較的失敗しにくい物件には、共通する考え方があります。整理すると次のような視点です。
- 将来、第三者に貸したり売ったりできる立地であること
- 築年数よりも、管理状態や修繕状況がきちんと保たれていること
- 一人暮らしでも窮屈すぎず、長く住める間取りであること
これらは特別な条件ではありませんが、実際の相談では意外と後回しにされがちなポイントでもあります。
先に不動産投資をしてしまった方のご相談
ここで、実際にあったご相談の一例をご紹介します。
30代前半の会社員の方で、「将来のために資産形成を」と営業を受け、単身のうちに投資用ワンルームマンションを購入された方でした。購入当時は「家賃収入があれば安心」「節税になる」「いずれ自宅も買える」「いざという時の生命保険代わりにもなる」といった説明を受けていたそうです。
ところが数年後、ご自身が住むためのマイホームを検討し始めた段階で、住宅ローンの審査に大きな壁が立ちはだかりました。すでに投資ローンという借入があるため、希望していた金額が借りられず、エリアも間取りも大幅に妥協せざるを得なくなってしまったのです。
最終的には購入自体を見送り、「もう少し順番を考えておけばよかった」と話されていました。このケースは決して珍しいものではありません。不動産投資自体が悪いわけではなく、「住む家より先に与信を使ってしまった」ことが問題だったのです。
マイホーム購入より先に不動産投資をおすすめしない理由
投資用不動産のローンも、金融機関から見れば住宅ローンと同じ「借入」です。先に投資ローンを組んでしまうと、その後に住宅ローンを検討する際、借入可能額が下がったり、金利条件が悪くなったりする可能性があります。
その結果、本来住みたかったエリアを諦めたり、間取りを妥協したりすることになります。住むための家と投資のための物件は役割がまったく異なります。だからこそ、単身の方ほど「どちらを先に考えるべきか」という順番が重要になるのです。
住まいは「生活を整える拠点」です
事務所で飼っているうさぎは、私たち人間以上に環境の変化にとても敏感です。落ち着ける場所がなければすぐに体調を崩してしまいます。併設しているサウナも、忙しい日常の中で一度アタマを切り替え、整えるための場所として設けています。
住まいも同じで、駅距離や価格といった物差しだけで判断するものではありません。安心して帰れる場所であり、心ゆくまでリフレッシュして『明日からまた頑張ろう』と思える空間であること。こうした心理的要素が重なり合うことで、暮らしの質は大きく高まっていくでしょう。
最後に|「今は買わない」という結論になることもあります
ここまで読むと、「なかの不動産は購入を強く勧めているのでは・・・!?」と感じる方もいるかもしれません。ですが、実際のご相談では「今は買わないほうがいいですね」という結論になることもあります。
お急ぎの方はこちらから
03-5930-7204

