練馬区の人口は今後(2025年以降)どうなる?不動産への影響をプロが解説

こんにちは。なかの不動産です。

東京23区で第2位の人口(約75万人)を誇り、豊かな緑と都心へのアクセスを両立する練馬区。人気の住宅地として多くの方を惹きつけていますが、「マイホームを購入する街」として考えたとき、その「将来性」は非常に気になるポイントです。

特に不動産の資産価値と密接に関わるのが「人口の未来」。 『これだけ人が多い練馬区も、将来は人口が減るの?』 『高齢化はどれくらい進むの?』

このような疑問は、数千万円の買い物である不動産購入を検討する上で、避けては通れない重要な視点です。

そこでこの記事では、練馬区が公表する統計データを基に、区の人口が今後どのように変化するのか、そしてその動向が不動産市場にどのような影響を与えそうかを、プロの視点で分かりやすく解説します。

目次

【はじめに】練馬区の魅力的な特徴

●都心へのアクセスと閑静な住環境の両立

練馬区の魅力は、まずその交通利便性です。西武池袋線(池袋へ直通)、都営大江戸線(新宿・六本木へ直通)、東京メトロ有楽町線・副都心線(渋谷・横浜方面へ直通)など、多数の路線が利用でき、都心への抜群のアクセスを誇ります。その利便性にもかかわらず、区内の大部分は緑豊かな閑静な住宅街が広がっており、「都会の利便性」と「落ち着いた暮らし」を両立できるのが最大の魅力です。

●豊かな緑と公園

練馬区の最大の特徴は「緑の豊かさ」です。2023年のデータによると、練馬区の緑被率は23区内で3番目。また、23区内で最も公園数が多く、その数はなんと約690箇所(緑地を含む)にのぼります。広大な敷地を誇る「光が丘公園」や、武蔵野の面影を残す「石神井公園」「大泉中央公園」など、大規模な公園が点在しています。こうした豊かな自然環境が、特に子育て世代のファミリー層から高い支持を得ています。

●個性あふれる文化の発信地

練馬区は「日本のアニメ発祥の地」として知られています。東映アニメーションをはじめ、現在も多くのアニメ関連企業が集積しており、「アニメ」を活かしたまちづくりが行われています。また、練馬大根に代表される都市農業も盛んで、都心にありながら農業に触れられる独自の文化が根付いているのも、練馬区ならではの面白いところです。

練馬区の資産価値は?地価の動向

では、不動産を選ぶ上で最も気になる「資産価値」について、土地の価格(地価)の動向から見ていきましょう。

過去から現在:堅調な上昇トレンド

練馬区の地価は、その住みやすさから堅調な上昇傾向を示しています。特に近年の上昇は力強く、2025年の公示地価(住宅地)は前年比で +5.98% と、安定した伸びを見せました。

 住宅地の平均公示地価前年比
2023年(令和5年)409,141 円/㎡
2024年(令和6年)425,935 円/㎡約+4.1%
2025年(令和7年)451,400 円/㎡約+5.98%

出典:ランドクリエイト「東京都練馬区の公示地価と土地価格の推移」

未来の展望:今後の見通し

今後の見通しについても、ポジティブな要因が挙げられます。
後述する通り、練馬区の人口は23区で第2位と非常に多く、当面は高い水準で安定すると予測されており、底堅い住宅需要が価格を下支えすると考えられます。

また、都営大江戸線の延伸計画(光が丘から大泉学園町方面)など、将来的な利便性向上への期待もあり、今後も安定した資産価値を維持していく可能性が高いと言えるでしょう。

練馬区の総人口の推移

続いて、区全体の人口がどのように変化してきたかを見てみましょう。
練馬区の人口は、現在約75万人で、世田谷区に次いで東京23区で第2位の規模を誇ります。
練馬区が公表している将来の人口推計によると、区の総人口は2028年( 令和10年)頃に約72.1万人でピークを迎え、その後は緩やかに減少していくと予測されています。

一方で、民間の分析では2050年の段階でも75万人超と、現在を上回る水準を維持するとの予測も出ています。

どちらの推計を見ても、少なくとも今後長期間にわたり、練馬区の人口は非常に高い水準で安定することが読み取れます。これは、住宅の「買い手」からの需要が当面は堅調に続くことを示しており、不動産市場にとってポジティブな材料と言えます。

年齢別の人口構成(高齢化・少子化の進行)

次に、人口の中身を年齢別に見てみましょう。総人口が安定する一方で、その構成は大きく変化していく見込みです。

●年少人口(0~14歳)
●生産年齢人口(15~64歳):社会の働き手の中心
●老年人口(65歳以上)
練馬区のデータでは、少子高齢化が確実に進んでいくことが示されています。

年齢区分現状(2023~2024年頃)30年後(2045年頃)の予測
年少人口低下傾向が継続減少する見込み
生産年齢人口約47万人約43万人(約4万人減少)
老年人口約16.2万人(高齢化率 22.0%約20万人(高齢化率 28.1%

出典:練馬区「将来どうなる? 人口・経済状況」、練馬区「人口推計等資料(暫定版)」 など

特に、高齢者人口の割合(高齢化率)の上昇は顕著です。不動産の観点から見ると、住宅市場のメインプレイヤーである生産年齢人口は当面、40万人以上の厚みを維持するため住宅需要は安定しますが、将来的にはバリアフリー設計の住宅や、医療機関に近い物件のニーズがより高まっていくことが予想されます。

世帯数の推移

人口と合わせて重要なのが「世帯数」です。人口が横ばいでも、世帯数が増えていれば、それだけ多くの住宅が必要になるからです。

練馬区の将来推計では、世帯数自体のピーク予測は明確に示されていませんが、注目すべきデータがあります。それは「ひとり暮らし高齢者」の急増です。

ある推計では、2023年(令和5年)時点で高齢者の34.4%を占める「ひとり暮らし高齢者」が、2040年(令和22年)には高齢者の約半数(約8万9千人)に達する見込みです。

これは、全国的な傾向でもある「核家族化」や「単身世帯の増加」が練馬区でも進むことを示しています。人口が微減に転じたとしても、世帯数は高い水準で維持、あるいは増加する可能性があり、ファミリー向けだけでなく単身・二人世帯向けのコンパクトな住宅需要も引き続き堅調であると考えられます。

外国人人口の推移

最後に、国際的な視点から外国人人口の動向も見てみましょう。
杉並区のデータではコロナ禍で一時的に減少した後、2024年に過去最高を更新するというトレンドが見られました。

練馬区における最新の時系列データは限定的ですが、過去の分析(平成30年時点)では、区の人口増加のうち約35%を外国人人口の増加が占めるなど、人口維持の重要な要素となっています。

国の動向を踏まえても、この傾向は続くと予想されており、練馬区が国籍を問わず多くの人から「住みたい街」として選ばれていることが分かります。外国人居住者の増加は、賃貸市場の安定につながるだけでなく、多様な文化が根付く活気ある街としての魅力を高め、不動産市場全体の下支え要因となります。

まとめ

ここまで見てきたデータを総合すると、練馬区の未来は以下のように要約できます。

●地価は堅調に上昇しており、今後も安定した資産価値が期待できる。
●総人口は2028年頃をピークに、当面は高い水準で安定して推移する。
●高齢化・少子化は進むが、生産年齢人口も当面は厚みを維持し、住宅需要は堅調に続く。
●ひとり暮らし高齢者世帯の増加により、世帯数は高い水準で維持され、多様な住宅ニーズ(コンパクトな住居など)が生まれる。
●外国人人口も増加傾向にあり、街の活力と賃貸需要を下支えする。

結論として、練馬区は今後も人気の住宅地として、安定した不動産需要が見込める非常に魅力的なエリアです。地価や人口動態といった客観的なデータも、その価値を力強く裏付けています。

不動産の購入は、専門的な知識と長期的な視点が不可欠です。ご自身のライフプランと、街の未来を重ね合わせながら、最適な住まい探しを進めていくことが大切です。

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