警視庁の犯罪データをもとに考える、安心して暮らせる街探し ー杉並・中野・練馬の前年度犯罪件数データから見る実情―

こんにちは。なかの不動産です。
今回は、住宅選び・街選びを検討されている皆さまにとって、非常に重要な「治安・安心して暮らせる街かどうか」という観点から、実際に 警視庁 が公表しているデータをもとに、東京都内の人気エリアである「中野区」「杉並区」「練馬区」の犯罪発生状況を整理し、「街を選ぶ際」にどんな視点でチェックすべきかを、なかの不動産の視点から解説いたします。

データをただ見るだけでなく、「この数字が意味すること」「物件探し・暮らしの視点でどう読み解くか」まで踏み込んでお伝えできればと思います。それでは早速参りましょう。

目次

なぜ「犯罪データを街選びに使う」べきか

街選び・物件選びをする際、「交通の利便性」「価格」「将来性」などに注目される方が多いかと思います。もちろんそれらは重要ですが、同時に 「毎日の安心・暮らしやすさ」 を左右する「治安・犯罪リスク」の視点も無視できません。

警視庁が公表している区市町村別・町丁別の犯罪認知件数データは、実際にそのエリアで「どのくらいの犯罪が認知されているか」を把握できる貴重な指標です。
このようなデータを見ておくことで、「物件価格が安いから」「駅から近いから」というだけで飛びつくと、思わぬリスクを抱えてしまう可能性もあります。特に一人暮らし・子育て世帯・高齢者など、暮らしの安心を重視される方には重要な検討材料です。

ただし、データは“絶対安心”を保証するものではなく、「傾向を読み取るためのツール」として活用すべきです。数字の背景、エリアの特性、物件の立地・構造・時間帯などによって感じる安心度は変わります。そこで次章から、実際のデータをもとに地域別に見ていきましょう。

3区の犯罪発生状況をデータで見る

それでは、今回対象とした中野・杉並・練馬の3つの区について、公表されているデータから「犯罪発生件数」「犯罪発生率」「犯罪種別の傾向」を整理します。なお、全てのデータが「最新年度」「完全同条件」で揃ってはいないため、あくまで参考値としてご覧ください。

中野区

令和6年・中野区内の刑法犯認知件数は2,094件(前年比+118件) でした。

その区域内順位として、「23区中 発生件数ベースで18位」でした。
一方、人口あたり・面積あたりで見ると、23区内で「9位」という評価もあります。

住宅情報サイト等では「粗暴犯 7位/侵入窃盗 8位/自転車盗 13位(令和3年データ)」という分類も出ています。このように、発生件数そのものは多くはないものの、区の規模・人口を考慮すると “特段に安全性に飛び抜けている” という訳でもない、というのが中野区の実感値として出ています。例えば、駅近の繁華街エリア(サンモールのある中野5丁目など)では夜間の人通り・飲食店客の出入り・人の往来が多いため、軽犯罪・窃盗などが起きやすい構造もあります。なお、区全体のうち約40%は自転車盗難をはじめとした非侵入窃盗であり、侵入窃盗にあたる空き巣は区全体で18件と少ない数値が出ています(令和6年)。

練馬区

練馬区の犯罪発生率は、令和4年のデータで 0.39%(23区平均0.59%) と、23区内で3位という「発生率の低さ」が報じられています。

令和6年・練馬区内の刑法犯認知件数は3,662件(前年比+182件) でした。
区内で「駅周辺・商業地」の犯罪発生件数が比較的高めという指摘も出ています。

このように、練馬区は区全体として見れば「比較的犯罪発生率が低め」な傾向にあり、住宅街・ファミリー向けエリアとして支持されている背景があります。ただし、駅近・繁華街・人通り多めの地域では注意が必要というのが補足的な読み取りです。練馬1丁目(練馬駅前)や東大泉(大泉学園駅周辺)などの商業施設が多いエリアでは、万引きの件数が増加傾向にあります。また詐欺の件数が300件弱と比較的多く、ターゲットとされやすい高齢者のみの世帯が生活する上では特に防犯意識を高めることが重要といえます。

杉並区

令和6年・杉並区内の刑法犯認知件数は2,479件(前年比+40件) でした。
杉並区の犯罪発生率は、令和6年のデータで 0.39%前後(23区平均0.59%) と、23区内でも上位の「発生率の低さ」を誇ります。

練馬区同様、ルミネ荻窪や荻窪タウンセブンのある上荻1丁目(荻窪駅北口)、阿佐ヶ谷パールセンター周辺の南阿佐谷1~3丁目、高円寺南4丁目(高円寺駅南口)など、商業施設の多いエリアでは万引きの件数が多めです。空き巣の件数は区全体で19件と少なめですが、永福や久我山のような低層住宅密集地が狙われやすい傾向にあります。戸建てを選ぶ際には、より一層の防犯対策が求められるでしょう。

全体傾向から読み取る「安心して暮らせる街の条件」

上記のデータを踏まて、住宅選びの視点から「安心して暮らせる街/物件」を見極めるためのポイントを整理します。

犯罪発生件数の“絶対数”と“発生率”の両方を見る

発生件数「1,880件」など区全体の数値はわかりやすい指標ですが、区の人口・面積・夜間人口を考慮しないと“安心度”を誤解する可能性があります。たとえば、人口が多い区では件数が多く出やすく、それだけで「治安が悪い」とは限りません。

よって、発生件数 ÷ 人口 → 発生率、また人口密度・昼夜の人口変動などを加味して、“実際に暮らす人の立場で感じる安心度”を考えることが大切です。

練馬区が「発生率0.39%」というデータが示すように、件数ゼロではなくても“他区比で低め”という指標が住宅街としてプラス材料になります。

犯罪種別(凶悪犯・粗暴犯・窃盗・詐欺等)にも目を向ける

“凶悪犯罪”は発生数自体が極めて少ないケースが多いですが、その一方で“窃盗・自転車盗・車上狙い・侵入盗”など、日常生活で遭遇しやすい犯罪が発生している可能性があります。中野区のデータでも「自転車盗」が比較的件数が目立つという指摘があります。

物件探しの際には、「駅から自転車移動をする」「夜遅く帰宅する」「一人暮らし・共働きで不在が多い」など、ご自身のライフスタイルと照らし合わせて“どの種別の犯罪が起こりやすいか”を考慮することが有効です。

また、詐欺・知能犯などの非暴力系犯罪も近年注目されています。IT・キャッシュレス化の進展に伴い手口が多様化しており、居住エリアのみならず宅配ボックス設置・集合住宅アクセス制限など“暮らしの安全対策”もあわせて検討することが望ましいです。

“駅徒歩何分”“徒歩ルート”“夜間の人の流れ”とリンクさせる

犯罪データは区・町丁・駅近/駅遠とで大きく変わることがあります。練馬区でも「駅近・繁華街エリアで犯罪発生件数が高め」という指摘があります。

物件探しでは「駅徒歩○分」というアクセス条件がよく語られますが、“徒歩ルート”が夜間暗い道であったり、人通りが少ない道であれば、安心度は下がります。データ上“駅から800m圏内”での犯罪率分析をしている例もあります。

また、買い物帰り・飲食帰り・共働き帰宅時など「夜の時間帯の動き」も考慮しましょう。住宅街に近いほど夜間の人通りが減り、逆に駅前商業エリアに近いほど人通りがあって安心な一方で“ひったくり・置き引き”のリスクも上がる傾向があります。

防犯インフラ・地域の取り組みも加味すべき

データだけで安心を決めてしまうのは早計です。町会・自治会・警察・防犯パトロールなど、地域コミュニティの防犯体制が整っているかも重要です。

また、建物・住戸レベルでは、「オートロック」「防犯カメラ」「宅配ボックス」「通路・エントランスの明るさ」などの“設備・仕様”も安心度を左右します。街と物件の両面から「安心して暮らせる環境」を検証することが、なかの不動産としておすすめするポイントです。

各区を暮らし視点で比較してみる

それでは、上記の視点をもとに、3区を暮らしやすさ・安心視点から比較・読み取ってみます。

中野区

魅力:
JR中央線・東京メトロ東西線・都営地下鉄大江戸線などアクセス良好。駅周辺には飲食店・買い物施設も豊富。

治安視点:
区全体の刑法犯認知件数は“23区平均水準”と比較してそれほど高くない。

留意点:
「自転車盗」など軽窃盗系の件数が目立つという指摘あり。また、繁華街・駅前エリアでは夜間の人の往来も多いため、暮らし方によって安心度に差が出る可能性あり。

総合評価:
利便性重視なら選択肢に十分入るエリア。ただし夜間・物件立地(駅からの道筋・建物の防犯仕様)をよく確認することが肝要です。

練馬区

魅力:
住宅街・緑地・公園が多く、ファミリー層・落ち着いた暮らしを求める方に人気。アクセスも複数路線あり。

治安視点:
犯罪発生率0.39%(23区平均0.59%)というデータが示すように、23区内でも比較的発生率が低め。

留意点:
駅前・商業施設近く・人通りが多いエリアでは窃盗・自転車盗などがやや目立つという補足あり。

総合評価:
子育て世帯・静かな暮らしを重視される方には特におすすめのエリア。「安心して暮らせる街」を重視するなら強い選択肢です。

杉並区

魅力:
JR中央線・丸ノ内線などアクセス良好、住宅街も落ち着いた雰囲気。

治安視点:
23区内でも比較的発生率が低め。

留意点:
町丁・駅徒歩圏・時間帯・住環境によって安心度が変わるため、個別物件をよくチェックする必要あり。

総合評価:
アクセス・暮らしやすさ・安心度をバランスよく求める方には魅力的なエリア。物件条件・立地条件を丁寧に見れば安心度も高まります。

物件選び・街選びの際に「必ずチェックすべき項目」

物件探しをされる際、ただ「駅徒歩〇分」「価格〇〇万円」というスペックだけではなく、以下の“安心して暮らせる街かどうか”を判断するためのチェックリストとして活用してください。

1、区・町丁別の犯罪認知件数を確認
例:中野区全体 1,880件(令和4年)という数字は参考になりますが、町丁別データを確認すると「駅徒歩5分圏」「夜間人通り少なめ」「飲食繁華街近く」など立地条件によって発生数が変わります。
警視庁では「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」を公開しています。

2、犯罪種別の内訳を見る
例えば、「侵入窃盗」「非侵入窃盗(ひったくり・置き引き等)」「粗暴犯」「詐欺」など。自分の暮らし方(自転車通勤・夜間帰宅・共働きで家を空けがち)と照らし合わせて、どの種別リスクが高いかを検討。
例:中野区では自転車盗が比較的目立つというデータあり。

3、駅からの道のり・時間帯を実際に歩いてみる
駅から物件までのルートを「昼間」「夜間」で確認。

  • 街灯の状況は?
  • 人通りはあるか?
  • コンビニ・飲食店など夜まで営業の施設が多く人の流れがあるか?
  • 回り道や暗がりの裏道が多くないか?

これらはデータには出にくい「安心度」の重要な要素です。

4、建物・住戸の防犯仕様を確認

  • オートロック有無/防犯カメラ有無/宅配ボックス有無
  • エントランス・共用部分の明るさ・施錠管理
  • 2階以上/角部屋/面している通路など、住戸の位置の条件

こうした“物件レベル”の対策があるかどうかで、同じ街内でも安心度に差が出ます。

5、地域の防犯活動・自治体・警察の取り組みを知る

  • 町会・自治会・防犯組織・警察パトロールの実施状況
  • 自治体の防犯マップ・声かけ・通報体制などの啓発活動

例えば、警視庁が公開している「犯罪情報マップ」は、子ども・女性を狙った声かけ事案・ひったくり等の発生場所を地図でチェックできます。暮らすうえでは、こうした“まちの安心のために動いているか”を確認することも安心材料です。

なかの不動産からのご提案

私たち、なかの不動産は「中野区・杉並区・練馬区」を中心に地域密着で活動しております。住み替え・購入・売却などを検討される際、以下のようなご支援をしております。

  • ご検討中エリアの「最新犯罪データ」「地域の防犯インフラ状況」「物件近辺の夜間・休日の雰囲気」などを一緒に確認
  • 物件ご紹介にあたり、「駅徒歩・通勤・帰宅時間帯」「徒歩ルートの安心度」「建物・住戸の防犯仕様」まで視野に入れたご案内
  • ご家族構成・ライフスタイル・将来設計に応じた「安心して暮らせる街・住まい」のご提案

例えば、「子どもが夜遅く帰る可能性がある」「午前中は留守にしがちな共働き世帯」「高齢の方が暮らす予定」など、暮らし方によって安心度の要件は異なります。データだけでなく、ライフスタイルから逆算して“安心のための条件”を一緒に整理します。

また、「街を選ぶ」「物件を選ぶ」際には、今回ご紹介した「データを確認する」「現地を訪問する」「物件の設備仕様を確認する」という3ステップをぜひ踏んでいただきたいと考えております。安心して暮らせる住まい選びを、私たちと一緒に進めませんか。

まとめ

街選び・物件探しにおいて「治安・安心して暮らせるかどうか」は、アクセス・価格と同じくらい重要な要素です。警視庁が公表する区市町村・町丁別の犯罪認知件数データを活用することで、数値的な「安心度」の把握が可能です。

中野区・練馬区・杉並区を例に見ると、特に練馬区は発生率が低めという評価が出ており、住宅街・ファミリー向けの観点でも強みがあります。一方、中野区も利便性が高く、安心して選択肢となる街です。ただし、データだけで安心を決めつけず、「駅からの道のり」「夜間の様子」「建物・住戸の防犯仕様」「地域の防犯体制」など“暮らしのリアル”をセットで確認することが大切です。

なかの不動産では、地域データ・現地環境・物件仕様の視点を三位一体でご案内し、お客様が「安心して暮らせる住まい」を見つけられるようサポートいたします。

もし、「このエリアの町丁別データが知りたい」「夜間の雰囲気を写真で見てみたい」「物件候補がこの付近にあるが安心かどうか相談したい」といったご要望があれば、お気軽にご連絡ください。

今後とも、なかの不動産をどうぞよろしくお願い致します。

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